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2016年1月23日土曜日

「思い込め ひとつだけの棺」(2016年1月22日 朝日新聞 生活欄掲載)


エコフィンiSを用いた葬儀の様子が「故人への思いを棺にこめる新しい形の葬儀」として朝日新聞(生活欄)で大きくとりあげられ、反響がよせられています。

エコフィンiSの名前には「i-Style(私のスタイル)」という意味がこめられています。
大切な人との別れを、ただ「お任せ」にするのではなくて、自分たちが主体的に関わりたいと願う人が増えています。そのような方々が思いをこめる一つの方法としてエコフィンiSを選び、「自分たちらしい葬儀」を実現しています。

今回その様子を多くの方々に知って頂ける機会を頂戴し、私たちにとっても大きな喜びです。葬送ジャーナリスト碑文谷創さんのお話と共に、掲載記事を紹介させて頂きます。


思い込め ひとつだけの棺
しのびつつ作業 大切な人と別れ


花嫁衣装で装飾・「ありがとね」と寄せ書き・・・

華やかな打ち掛けと帯で覆われた棺(=花心社提供)

大切な人を送り出す棺を着物で飾ったり、送る言葉を寄せ書きしたり。
故人への思いを棺に込める新しい形の葬儀がでてきている。
ひとつだけの棺づくりは、遺族らが死を受け入れるための大切な時間にもなっている。

昨年12月、東京都内の斎場で87歳の女性の葬儀がいとなまれた。
祭壇の前に置かれた棺は、故人が長年大切にしていた花嫁衣裳の華やかな打ち掛けで覆われた。

打ち掛けを棺に張り付けたのは、参列者の約10人。
葬儀社や棺メーカーのスタッフらが棺に合うようにした仕立て直し用意した。
故人のめいの山本和子さん(66)は「着物に触れて感動した。おばも喜んでいると思います」
故人に茶道を習っていた女性(83)は「華やかな棺は、明るく優しい先生らしい」と話した。

使われた棺は、ウィルライフ(東京)の「エコフィンiS(イズ)」という商品。
強化段ボール製の組み立て式で、装飾を加えやすいように全面平板で茶色い無地のシンプルなつくりだ。同社の増田進弘社長(62)は「パッケージ化された葬儀の後、『何もしてあげられなかった』と悔やむ人が少なくない。棺を演出して気持ちを表し、少しでも自らかかわったと思えるお見送りにしていただければ」と話す。

3年前に販売を始めた。値段は税抜き6万円。
注文は年に約20本だが、この棺を選ぶ葬儀社は関東を中心に北海道や名古屋などにも広がっているという。

3年前に94歳で亡くなった父を見送った川崎市の久保田泉さん(63)も利用した一人だ。家族と、愛妻家だった父が亡き母に贈った着物をほどき棺を飾った数時間は、涙を流しながらも思い出話に笑い合えた。
「みんなで棺を完成させた過程にこそ意味があった。『大好きだよ』という父への思いを棺に込め、父と向き合い死を受け入れていく、かけがえのない時間でした」と振り返る。
畑浜江さんの夫の葬儀で、棺にメッセージを書く参列者たち=「やさしい葬儀」社提供
横浜市の畑浜江さん(74)は昨年10月、夫の伊佐男さん(享年78)を見送るとき、この棺に「ありがとね」「伊佐男さんまたね」とメッセージを書き、思いでの写真を貼った。

35人の参列者もめいめい、ハートマークや似顔絵などを書いた。畑さんは自分の葬儀でも、同じように棺にメッセージを書いてほしいと家族に伝えているという。

家族葬の広がり 背景
葬送ジャーナリストの碑文谷創さんの話
私的な別れの空間に重きを置く家族葬の広がりを背景に、マニュアル通りではない、その人らしい葬儀へのニーズが高まっている。故人が好きだった花を飾ったり、歌ったカラオケを流したりと、遺族らの要望は多様化している。棺の演出も、その一つの表れだろう。会葬者が一緒に棺に手をかけることは、故人への思いや死別の悲しみを共有し、死を受け入れることにもつながる。

2016年(平成28年)122日 金曜日 朝日新聞 生活欄

こちらの記事は、デジタル版朝日新聞でもご覧頂けます。
http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20160122000161.html

今回取材くださった朝日新聞の記者様には時間をかけ、本当に丁寧に取材頂きました。
現代の葬送事情や、環境と葬儀の関係、エコフィンの主材であるトライウォール、その他にもエコフィンの生まれた背景や選ばれたたくさんの方々のお声など、、、
たくさんの情報を整理し、適確に大切にお伝え頂きましたこと心より感謝申し上げます。

そしてコメントを寄せて下さった皆様、エコフィンiSご推進下さり今回の取材にご協力くださった有限会社花心様、やさしい葬儀様、誠にありがとうございました。
他にも寄せられておりますたくさんの暖かな事例は、また追ってご紹介させて頂きたいと思っております。

エコフィン・ラボでは、毎月「手づくりのお葬式ワークショップ」を開催し、棺づくりの様々な手法をご紹介しています。
記事をご覧頂き関心を寄せてくださった方は、ぜひご参加頂き実際に棺づくりを体験してみてください。

1月28日(木)10:00〜12:00
2月18日(木)10:00〜12:00
2月25日(木)10:00〜12:00
会場:エコフィン・ラボ(東京都港区西麻布2-26-5 ウィルライフ株式会社内 TEL03-6861-3355)

お申し込みはこれから楽交@西麻布Facebookページをご覧下さい。
https://www.facebook.com/events/990795297648658/

2015年3月17日火曜日

桜のお山で入棺体験「生かされてることに感謝やわぁ」

「悲しきかな、いつかは入るんですもん。 
 でも?だからこそ?寝心地を知っておくのも悪くないのかもしれません。」
先日、大阪のNPO団体「エンディングセンター」主催で、エコフィンiSを用いた「"縁起"でもない?入棺体験会」が催されました。
まずは自己紹介を兼ねて参加の動機、自身のエンディングに関する考えなどから話は広がりそれぞれの死生観や、かつて経験した別れについて。。。中心に置かれた棺を囲んでの”生”そして”死”と向き合えるひと時となりました。

そして、自分が目の前の棺に入っていることを想像してもらい、
その自分に掛ける言葉を、静かに目をつぶって考えること3分。
そのメッセージを棺の表面に書いてもらいました。
今回用いられたエコフィンiSは、特殊強化段ボール「トライウォール」と国産の間伐材が主原料で、地球環境にやさしいエコロジー棺。しかもダンボール地をそのまま活かし、デザインや書なども自由に施せます。

「エンディングセンター」で行う入棺体験会も今回で3回目。
回をかさねるごとにメッセージの数は増えていきます。

出棺時など流して欲しいリクエスト曲をyoutubeで流し、2~3分の臨死体験を。
感想は、、、
・やっと楽になって眠れるんやなぁと解放感を感じた。
・辺り一面紫色にかがやいていた(目が悪いからかもと本人談)。
・誰が私の死を悲しんでくれるんやろ?と疑問がわいた。
・特になにも思わんが、生かされてることに感謝やゎ。と再認識した。

ちなみにリクエストBGM曲は、
・赤とんぼ(童謡)
・ショパン (葬送行進曲)
・美しき天然
・讃美歌405番(神ともにいまして)

棺に入って思うことは、人それぞれ。
普段あまり意識しない(意識したくない)「死」について、それぞれが人生の経験を重ね合わせて、想いをめぐらすひと時となりました。

認定NPO法人「エンディング センター」は、尊厳ある死と葬送を実現するために活動している市民団体、死と葬送に関する研究活動を行い、東京都町田市と大阪府高槻市にて桜葬・樹木葬墓地を実現しています。


この模様が、なんとテレビで放送されます、、、
が、残念ならが関西2府4県での放送となります。

番組と放映日をご案内いたします。
【番 組】 毎日放送 報道番組 VOICE http://www.mbs.jp/voice/
【放映日】3月17日(火)と18日(水)の2日間でお彼岸前のお墓特集
       →17日は無縁墓について。
       →18日は近年のお墓事情(★)
★桜葬の登場は3/18(水)の18:15分ごろ〜の予定です。

エンディング センター」の皆さま、参加された皆様、ありがとうございました。
今後も楽しく深く「死」を通じて語り合う機会に、エコフィンiSがお役にたてば幸いです。


認定NPO法人「エンディング センター
【大阪・高槻】「"縁起”でもない入棺体験会」
エンディングセンター関西事務所(桜葬現地事務所)にて
2016年1月22日、2月11日、3月16日
http://www.endingcenter.com/kansai/kansai-lecture/engidemonai/

エコフィンに関するお問い合わせは、
ウィルライフ株式会社/エコフィン・ラボ
東京都港区西麻布2-26-5  tel:03-6861-3355/fax03-6861-3356
http://www.willife.com/



2014年9月26日金曜日

いのちあるものは「リズム」を持っています

「リズム」、そのキーワードから、どんなイメージをもたれますか?

これから楽交の「ホリスティックなアロマテラピーを考える」第4回。今回のキーワードは「リズム」でした。


☆ 一日のリズム
☆ 一ヶ月のリズム
☆ 一年のリズム
☆ 一生のリズム


【いのちあるものは、リズムを持っています。】

そんなお話からはじまり、皆さんと一緒にアロマテラピーを考えていきました。



☆ 一日のリズム
夜寝て、朝起きる時間は決まっていますか?

☆ 一ヶ月のリズム
からだのリズム、女性は月の周期がありますね

☆ 一年のリズム
秋は内に入る時期、春夏秋冬のなかではからだに貯める時期です

☆ 一生のリズム
年々、身体は変化していきます


植物の一生に思いを馳せてみましょう。蒔かれた種からまずは根が出てきます。それから芽がゆっくり顔を出し、陽の光を浴びながら、葉が現われ、さらに美しい花が咲き、実をつけます。やがては静かに枯れていくその姿は、動物の一生にも似ています。植物や動物、すべての生物はリズムの中で動きます。身体と対話し、ゆっくりリズムを感じる丁寧な暮らしには、毎日は同じではないことに気がつくかも知れませんね。

[リズムを感じるアロマ作戦]では、ベンゾイン、別名「安息香」とも言われる香りをつかって、アロマスプレーをつくりました。


「安息香」は乳香や没薬と同様に、安息香は何千年もの間、薫香の成分として使用されてきたそうです。甘い香りが漂うラボとなりました。


【感想から】

・呼吸は意識してできることなので、深呼吸しましょう…はぜひ実践したいと思いました
・気分転換、リラックスのきっかけになりました
・生きている中には色々なリズムがあるんだなぁと思いました。その時々の低高に合わせて、自分の気持ちや行動を観察して理解してあげると、落ち込んだり、自分を責めたりすることが減っていくんだとわかりました。
・気持ちをゆるめる、リラックスしてほしいときに使っていきたいと思います
・牛乳より「のり」「わかめ」でカルシウムをとれるんだな、と少し安心しました。月のリズムの話も心に残っています
・リズムによって皮膚が再生されているとは思わなかったです、なぜシミやソバカスは取れないのでしょうか?
・生き物すべてにリズムがある、気分を変えたり、マッサージをしたり、掃除に使ったり、空気を換えたり、虫よけに…、生活に取り入れたいです!
・「安息香」の本物の香りをはじめて体験しました。「安息香」で満たされた部屋は呼吸が深くなるときき、やってみたいなと思いました

2014年9月11日木曜日

お困りごとは日常に。そんなとき、どうしたらいいと思いますか?

先日お邪魔した世田谷区のとある地域。
閑静な住宅が並ぶ綺麗な街です。

一軒のお宅に、ご近所の方がお集まりです。
介護をされている方、地域で支える方、お集まりの皆さんそれぞれが、暮らしの中で、困りごとや大変なことをお話しされていました。

お困りごとは日常の些細なこと。

例えば、
自宅をちょっと留守に。すると不在の間に郵便局からのお届け物が。ポストに残る不在通知。電話すれども、つながる先は機械の自動音声。言われた通りに操作をしたいけれど、メッセージの語りが早すぎて聞き取りずらく、操作が思うように出来ない…。

結局、電話は繋がらず、どうにかしたいけれど成すすべもなく、そのまんま。


「あー、そうそう、そうなのよね。」

「私も困っているの。」


だけれども、周りには、ちょっと聞いたり頼める人はいないそう。

そして皆さん口を揃えて
「近所のおつきあいは、殆どありません」

そんなとき、あなたの周りには助けてくれる方がいますか?

年を重ねれば、今まで普通に出来ていたことも、日々の些細な場面で、何かと不便が多くなります。そして、核家族化した都心は特に、単身や二人暮らしが激増、老老介護も増えています。

地縁、血縁の繋がりだけでなく、同じ価値観で繋がり助け合えるコミュニティ。

「これから楽交」は、あなたが地域で安心して暮らせるコミュニティ。

「おまかせ、丸投げ」ではなく、自分ゴトで学びあう活動を通じて「生き方」と「逝き方」を考えます。

あなたの地域にもお出かけしています。
あなたも「これから楽交」を一緒にはじめませんか?


これから楽交

ホームページ:http://www.korekara-gakko.net
Facebook:https://www.facebook.com/KOREKARAGAKKO


2014年9月2日火曜日

「母、祖父母に会いにいきたくなりました」

「母、祖父母に会いにいきたくなりました」


お出かけ「これから楽交」@寺カフェ代官山では、毎月第1月曜日(祝祭日を除く)、いのちの繋がりを考える、入棺体験!」を行っています。この活動は、新しいコミュニティのあり方を考える「寺カフェ代官山」×「これから楽交」のコラボレーション(協働活動)として定期的に行っている活動です。


9月1日、肌寒い小雨が降るお天気のなか、代官山の見晴らしよいビルの13階にある寺カフェ代官山でのワークショップにご参加いただいた体験の感想に、そんなお声を聴くことが出来ました。この活動は、もうすぐ1年目を迎えようとしています。
 




青空が見えるようなお天気の日には、窓から富士山も見える眺めのよい寺カフェ。ワークショップは和やかな雰囲気、記念撮影をパチリ!皆さま、ご参加ありがとうございました!




◆体験の声から一部をご紹介します◆


●入棺体験会に参加された理由は?

・自分が生きていることの確認ができる、カウンセリングの勉強のため、どんな感じなのか知りたい


・生と死に向き合い今後の生き方について考えたくなった


・自分が生きていることを実感したかった、だらだら続く日常生活に区切りをつけたかった


など、参加の理由もさまざまですね。


●参加のご感想は?

・参加して改めて、生と死について考えさせられました

・死をリアルに体験することで生きることが充実すると思いました

・短い時間でしたが、なかなかない機会を得られて、しっかり人生を生ききろうと思いました

・何かに包まれているような、あたたかい感じがしました

・母、祖父母に会いにいきたくなりました

・生きてる時間を大事にしたいなぁと思いました

・モノを減らして死ぬまでにすっきりとした生活を実現したい

・生きてることに感謝

・改めて自分が日々生きていることが当たり前ではなく感謝することだと思いました

・生きていることの有難みを感じました。まだまだやることがあるので死にたくないと思いました


「いのちの繋がりを考える、入棺体験!」
次回は10月6日(月)、皆さまのご参加をお待ちしております。

寺カフェ代官山

 「寺カフェ代官山」は現代の人々の、いわば「駆け込み寺」。何かに思い悩んでいる。誰に相談したらいいのかわからない。こんな小さな悩みを笑われたらどうしよう。でも今まで行った事があまりないから敷居が高い。皆さんが行きにくいのなら、わたしたちから出かけよう。新しいコミュニティのあり方を考える「寺カフェ代官山」×「これから楽交」のコラボレーション(協働活動)により実現しました。毎月1回、いのちの繋がりを考える、入棺体験会を行っています。
 
問合せ先:寺カフェ代官山/東京都渋谷区恵比寿西1-33-15 ENビル13F
TEL03-6455-1876 10:0020:00
URLhttp://teracafe-culture.com






2014年7月18日金曜日

Back to Basic !


私たちの生活を豊かにしてくれるツールとして様々なモノは今日まで進化し続け、
便利な暮らしや効率の良い仕事ができるようになっています。
しかし、何故か、どこか満足感が得られないと感じている人が
増えているような気がします。

例えば電気製品は、私たちの生活には欠く事の出来ないモノです。
昔の事を言えば笑われますが、それまでタライと洗濯板で時間をかけて洗濯。
その後、電気洗濯機が登場。2層式になり、全自動になり・・・
ドンドン製品は進化。時間と労力を掛けなくても、スイッチさえ入れれば
誰でも洗濯が出来るようになりました。

それで私たちの暮らしは豊かになったのでしょうか?

また、かつては紙に筆記具で手紙を書き、郵便ポストに投函して、
郵便配達の人が相手先まで手紙が届くというシステムでした。
届くまでの時間と返信の間が楽しみでもありました。
このごろは、もっぱらEメール。要件を打ってシューっと、
地球上のどこまでも瞬時に届けることができます。

便利なツールで、私たちはコミュニケーションを上達させたのでしょうか。

また、便利にはなって自分の仕事は効率よくスピードアップされたが、
返信も早く以前より忙しくなり、時間が足りなくなって残業ばかり・・・と
よく聞きます。

要件を瞬時に伝達でき便利になった反面、内容や相手の状況を思い浮かべたり、
気持を考えたりしながら文章を綴るということは少なくなっていませんか? 

効率的で便利な暮らしばかり求め、それに慣れてしまいますと、いつしか思考も
行動もいつの間にか深く考えるという事が少なくなって、体裁だけ整えるだけに
なってしまうのが私たち人間です。

「葬儀」の場面ではいかがでしょう。
葬儀には何回も会葬しているけれど、ほとんどのコトは葬儀社の人が
仕切っているので、自分は手伝うこともなく「お客さん」として参列するだけ。
頭ではこれまでの会葬の経験やメディアでの葬儀情報番組でイメージできるの
だけれども・・・実際には、どこから、いつどのような行動を起こしたらよいか
経験もなく全く分からない状態です。

考えておかなくても、いざと言う時には葬儀社のホールを使い、
葬儀社が提示した何でも含まれているプランを使い、
言われるがままに過ごせば、効率は良いし手間はかからないし、
あっという間にお葬式は終わってしまうでしょう。

でも本当に「そんな風に済ませてしまってよいのでしょうか?」

親しくしていた方々と、
心ゆくまで故人にまつわる物語を紡ぎ直す時間はありましたか?
その人の生きた意義をみつめ、
心からのお別れをする時間はもてたのでしょうか?

もしかしたら私たちは、便利さを追い求めるあまり、
大切なことを見失ってしまっていたのかもしれません...。
お葬式は見送る人と、見送られる人の関係性(コミュニケーション)の中で
営まれるもの。互いの想いが行き来する時間を、
効率や、便利さで済ませることは出来ないのです。
そしてその時間は、なんの準備もせずに創り上げることはできません。

これから楽交」は「生き方」が「逝き方」であると考えます。
いつか誰にでも「その日」は訪れます。
見送る側、見送られる側、双方を想い合い、
「これから」いかに生きるのか、「これから楽交」で一緒に考えてみませんか?

2014年7月9日水曜日

それぞれの「3分間」 ”生”を見つめるための入棺体験会

「3分」という時の流れ、
普段の暮らしのなかでは「あっという間」 それとも?
どのようなイメージがありますか?


新宿区にある寺町の静かな一角にある専行寺(新宿区原町)で、【お出かけ「これから楽交」 ”生”を見つめるための入棺体験会】を夕刻から行いました。

 
 
お寺が本来もつ、人と人、人と地域が繋がり、安心して集える場として、もっと地域と繋がりたいと活動をされている「専行寺」。
 
 
「生き方」と「逝き方」を楽しく学ぶコミュニティ活動として、普段の暮らし、地域のなかでもっと活動を広めたい「これから楽交」。
 
 
互いに伝えたい「根っこ」を共感し実現した協働活動として5月から始まりました。
 
 
専行寺の本堂です。普段、お寺に行かれることってありますか?気軽にお邪魔するには、なんとなく敷居が高いような…、そんなお寺に足を踏み入れ、輝くご本尊や重厚な雰囲気に、思わず背筋もピンとして、はじめは皆さんから笑顔が消え、とても緊張されています。
 

専行寺では、特徴的に「ひとり静かに棺に入る」という非日常の時を体験できます。

照明を暗く落とし、静かな本堂。ご本尊の前に置かれた「エコフィン・イズ(棺)」。エコフィンは(エコロジー+コフィン・棺)という名前で、人と自然、環境が循環する繋がりを考えた棺です。そこで、ひとり静かに蓋を閉じて、3分間、入棺体験を行います。



お集まりの方々と、日本のお葬式(火葬)の現状と環境問題との繋がり、時代と共に変化する家族のカタチと人を弔うというお葬式の本質、「いのち」のことを、一緒に考えていきます。

平松ご住職から、ある高校生による、ご自身が御祖父様を亡くされた死の体験を通じて、いのちについて学び考える新聞投稿から感じたことを題材にお話いただき、坊守(ぼうもり)の平松さんから、より生きやすい考え方、教えについてお話をいただく貴重な機会をいただきました。お坊さんや、お寺の坊守さんと、特別な日ではなく、日常の暮らしのなかで気軽にお話できること、本当に素敵だなと思っています。本当はもっと、お寺と人が近くなると、互いにとってもいいことがあるのではないかな、と思います。


 

今回の体験会、「入る3分出る3分」という新たな言葉ができました。

私たちは、「3分間」の入棺体験をしています。今回、順番に、それぞれが棺に入る体験をし、その後、次の方の棺の蓋を閉めて3分間、棺の側で待ちます。送る人、送られる人、それぞれの3分間を感じるプログラムです。宗派によっては、家族全員の手によって、棺の蓋を閉めることがあるそうです。


◆参加いただいた方の声◆

真っ暗な中での3分間、自分のこと、家族のことに思いをはせるひとときになりました。非日常の体験ができました。

自分が死ぬ時の送られ方、亡くなった家族のこと、健在ですが自分の親のことを考えました。

死ぬってどんなことなのかを知りたいと思っていたので参加しました

やはり生きている間は楽しんでやっていきたいと思ったり、あの世にいく時は”楽しませてもらった”と言いたいと思った

何を感じるか、やってみないと想像もつかなかったので参加しました

残念ながら、3分は足りませんでした…、キョロキョロしてあっという間だったので、心が定まらず…、3分終了

楽しい場で予想外でした。死を意識したり、生きるありがたさを感じたい気がしていましたが、今日のこの時間が笑顔と和のあるものだったので、それが生なのだと思えました

入る前と入る後、気持ちの変化は何もない!3分間ずっと動いていた。静かにできない自分を発見した。あと、目を開けても暗く、何もみえないことにおどろいた‼

こわいかな…という思いはなかった。それより、前の人の温かみがのこっていてあつかった(笑)

自分が入っている時間の3分と、傍で待つ3分は、同じ時間でも、全く違う3分間に感じました。
―――――

お寺で、”生”を見つめるための入棺体験会。

棺に入ると、夕刻ということもあり、お腹がすいてお腹のなる音が棺のなかで響き、自分は今、生きているんだな、と感じましたという感想もありました。

今、生きているということ、それが、誰しにもあるいつか逝くことに繋がる。

これから楽交では、これからの「生き方」と「逝き方」を楽しく学ぶコミュニティ活動を通じて、それぞれの私らしい、自分らしい生き方を見つめて考えていくこと、楽しく学び合う場を地域の皆さんと一緒に、これからも活動していきたいと思っています。

次回はご一緒にいかがですか?ぜひお待ちしております。

真宗大谷派 専行寺
東京都新宿区原町3丁目26番
※入棺体験会の詳しい日程についてはお問合せください
03-3203-7625

2014年7月2日水曜日

海に還る、自然葬  海洋散骨という選択

「散骨」と聞いて、どんなイメージをもたれますか?

自然葬、という言葉が登場し、既に20年近くもたつそうです。

自然葬は「海洋散骨」や「樹木葬」など、「お墓」に入るかわりに、遺灰を海や山へまく「散骨」をして、その方が好きだった場所などで、思い出と共に自然に還ることを選ばれる方法のひとつとして、知られるようになりました。

近年、核家族から更に独居や二人世帯も多くなる都心では、誰が「お墓」を守るのか、その継承者問題など、現代お墓事情も複雑化し、悩みの声も多く聞かるようになりました。


これから楽交では、今回、「”私らしさ”葬送計画 散骨は素敵だ」と題し、海洋自然葬の「風」代表の松木さんから、海に還る海洋散骨についてお話をうかがう講座を行いました。



スライドでは、広がる青い一面の海に、船上から色とりどりの花びらと、白い粉末が、風にのって海に流れていく様子が映っていました。また、その方が好きだった、飲み物などをそっと注ぐような場面もみられました。


「遺骨が海に広がっていくのが、天に昇って還っていく感じがする」

「世界中、海はつながっているので、どこに居ても海を見た時に思い出し、心の中で手を合わせてくれれば…と思います」

「海にまく、思い出の場所にかえる、美しいお花にロマンを感じました」

参加いただいた方からの感想や質問など、終始、話がつきない講座となりました。

好きな場所に散骨してもらい、自然のなかへ還っていく、という、とてもロマンティックなイメージをもっていた海洋散骨。でも、その反面、お墓を持てない、お墓の継承者がいない、という現実的な側面から、お墓でない選択肢として、遺骨を海へ、という方法が選ばれていることも、散骨が年々増加している背景の理由として知ることができました。

「海に散骨してほしい」と、家族にその希望を伝えていても、実際には、遺された家族が散骨に抵抗がありキャンセルとなってしまったりと、本人と家族とのコミュニケーションの必要性も改めて感じるエピソードもありました。この世を去る人、遺る人、それぞれの思いもまた、必ずしも一緒であるとは限りませんね…。

今回の「海洋散骨」のお話をうかがう中で、よりリアルに「自分らしい葬送」について、皆さんと一緒に考えてみることができたように思いました。







2014年6月23日月曜日

90才の父を、周りに迷惑をかけずに見送りたいと私はずっと考えていた・・・


思い出の風呂敷でエコフィンiSをつくり、親戚の方々と自分たちらしくお父さまを見送られた方のお話が、6月10日の神奈川新聞「自由の声」欄に掲載されました。
自分らしくありたいと願い、行動された越智昌子さん。
丁寧に時間をかけ仕立てられた棺は、それは素晴らしいものでした。

実は越智さん、遠距離介護を続け葬儀についても不安を感じていた昨年、同じく心境を投稿されているのです。

「あの時」と「この時」

越智さんに了解を頂き、今日はその2通のお話をご紹介いたします。
【手作りの葬式で父見送る】越智 昌子さん(横浜市保土ヶ谷区)
「90才の父を、周りに迷惑をかけずに見送りたいと、私はずっと考えていた。
そんな時「女たちのお葬式」という本に出会った。
葬式に対する柔軟な考え方に魅了され、著書のNPO法人「葬送を考える市民の会」に、父の葬儀の相談をした。

 具体的に葬儀の見積もりを進める中、環境にやさしい棺「エコフィン」を教えられ、さらにカバーの手作りを勧められ、面白いと思った。

 先日、父が亡くなり、打合せ通りの葬式を行うことができた。まず、いとこが動いてくれた。祭壇は注文せず、身内からの供花を飾り、叔母が選んだ遺影を置いた。
お坊さんには「一日葬」をお願いし、親戚には告別式だけ行うと言い、
前日の準備(棺の組み立て等)を手伝うよう依頼した。
 
 車いすの叔父、叔母が見守る中、いとこたちが大活躍。
ワイワイ言いながら棺に手製のカバーをした。湯かんし、スーツを着せ納棺。
会場設営も皆で口を出した。帰る人あり、遅れてくる人ありのゆったりした時間。
親戚が全面協力してくれ、父は幸せだったと思う。
神奈川新聞 2014年6月10日(火)「自由の声」欄掲載)



【老老介護も天命全う願う】越智 昌子さん(横浜市保土ヶ谷区)
父90歳、私62歳。親子です。
病院の面会日誌に「長女」と書きますが、スタッフさんには夫婦に見えるらしい。
「白髪を染めよう」と真剣に思います。
そこで一句。
 親の老い背負いかねたり共白髪
「年寄りじゃないけど若くもないのよねェ」遠距離介護もはや10年。
そこでもう一句。
 親が老い貯えが減り子は不安
 私はお金持ちではないので、親の負担で何とか続いた遠距離介護。
何度か経済的な危機もあり、「ドキドキ」と「胃炎」は今も顕在。
父の命と貯蓄残高のカウントダウンにドキドキしています。
 また、「葬式が出せない」という最悪の未来におびえ、眠れぬ夜も。
情報を集め「直葬」と「合葬」を選択。何とか自分を納得させましたが...。
 ボケてはいませんが、現実的な判断が不可能になっている親には、配慮やうそも必要。親の精神的安定を維持しながら、天命を全うしてほしいと願います。
私の選択に対する周囲の批判には、この白髪頭を下げています。
親子の老老介護の経緯はこんなものです...。
神奈川新聞 2013年8月13日(火)「自由の声」欄掲載)

当時は「直葬」を選択されていた越智さんですが、その後、
「お葬式は誰のためにするのかな」と自問。
自分だけでなく、伯父や伯母たちもお別れをしたいはずではと、何とか式ができないかと考えます。既成概念にとらわれず、自分たちらしいおくりかたを見つけ、「これから楽交」の講座に参加されて思い出の布を用いて棺を用意しました。
最初はお別れの日が近いことにショックをうけた親戚も、出来上がった棺の写真や報告に「目で見て一歩ずつ、お葬式に向かってくれた」と。その結果は「親戚が全面協力してくれ、父は幸せだったと思う」この一文にこめられているように思います。これから楽交」が背中を押してくれた、と後日お話をお聞きした際に、そうお聞かせくださいました。

「して後悔することと、しなくて後悔すること」

「老い」や「死」、誰もが不安をかかえながら、どこか当時者意識を持ちづらくなっています。今、本当に大切なことをともに見つめ、それぞれの経験を持ち寄ってそっと支え合える存在が必要と考えます。
これから楽交」はお互いにそうありたいと願っています。


「エコフィンiS」
http://www.willife.com/is/

「生き方」と「逝き方」を楽しく学び合う「これから楽交」https://www.facebook.com/KOREKARAGAKKO