植物はすごい!と日々思っているのですが、先日「ビックイシュー日本版」に掲載されていた記事に『植物はすごい 生き残りをかけたしくみと工夫』著者の田中修先生のお話が、特集されていました。
とても素敵な内容に触発され、ご紹介させていただこうと思います。
“タデ食う虫も好き好き”
聞いたことのあることわざの一つではないかと思いますが、苦いタデでも好んで食べる虫がいることから、人の好みはそれぞれで、ずいぶんと違いがあるということのたとえとして用いられます。
「植物でも動物でも棲み分けして、好みを分散すれば生きていける。競争したら、どちらかが滅んでしまう。生物はちょっとだけでも嗜好がちがうと、どこかで生きていけるんですよ。」(一部引用)
ところで、植物の種類はどれぐらいかご存じですか?
(と、私も知らなかったのですが・・・)
なんと、知られているだけで、約27万種類、実際はその10倍以上あるともいわれているそうです。そして、植物たちは同じ場所にいて一歩も動けないので、食べつくされないように自己防衛をして、生き残ってきています。
例えば、葉や茎を刈られても葉がすぐに茂り、枝や幹を切られても芽がすぐに伸び出してくるようなこともそうですが、「カキ」は実の中のタネができあがるまで、虫や鳥に食べられないように「渋み」という成分のタンニンをつくり、タンニンは水に溶けるのでそれを果肉に溶かし、タネができるまで実を守るそうです。タネができると、アセトアルデヒドという物質を出してタンニンを不溶性にして、それでカキが甘くなるというしくみになっている、と、本当によくできた自己防衛になっています。
渋みだけではなく「辛み」「苦み」「えぐみ」「酸み」など、それぞれ独自の工夫でつくり出し身を守り、簡単に食べられないような成分をつくりだすあたり、一歩も動けなくても自分で出来てしまえるあたりに、植物のすごさをあらためて感じます。
最近、「辛み」「苦み」「えぐみ」「酸み」「渋み」などの味の違いは、わからない人もいるかも知れませんね。
ぜひ、高度な植物の進化を、味わってみてはいかがでしょうか?
次は「多様な子孫を残すこと」について、ご紹介をさせていただきます。
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