2012年8月23日木曜日

誰にとってもひとごとではありません〜介護〜

少子超高齢化、そして核家族化がすすんだ現在、
国内で介護を必要としている人は、いったいどれくらいいるのでしょうか?
例えば要介護認定を受けている人の数は、平成22年度で約506万人だそうです。
平成12年度は256万人でしたので、10年間で約倍に増え続けています。
(「介護保険事業状況報告厚生労働省より)
施設などで介護されている人は一部ですから、
それだけ家庭で介護している介護者も増加していることになりますね。

もはや、「介護」の問題は、誰にとっても人ごととは言えなくなっています。
家族なんだから当たり前、と介護にうちこみ誰にも悩みや不安を共有できず、
何年も何年もひとりで頑張り続けたら、心身ともに疲労困憊してしまいます。

例え今は介護をする状況ではないとしても、
「もしかしたら、いつか・・・」とか「たぶん近いうちに・・・」と
自分自身のことや家族のことで不安を感じている方も多くいらっしゃるでしょう。

昨日エコフィン・ラボでは、ただいま開催中のイベント「グリーフワークとしての
葬送を考える#2」の一環として、
介護のお話を聞くセミナーを開催しました。
お話をして頂いたのは、介護者サポートネットワークセンター・アラジン
牧野史子理事長です。テーマは「家族を介護するすべての人へ」

現在の日本の保険制度では、介護を必要とする本人の状況のみで判断され、
介護をする家族がいるのか、またどのような状況にあるのかは考慮されず、
また家族介護者への支援も全くありません。
その結果、介護のために仕事を失い、社会から離れ、自由な時間も友人との
付き合いも失い・・・その結果、極度のストレス状態に陥ったり、
ニュースなどで報道されるように悲しい結果を招いてしまうことも・・・。
そこでアラジンでは、介護者のための電話相談や訪問相談、交流サロンなど、
幅広く介護者をサポートする活動を拡げています。
今回は、阪神・淡路大震災の被災者を支援した経験から、
アラジン設立となった経緯や、
家族介護者の孤独感、被害感、不安、いかり、ひきこもり、支配・・・
様々にわきおこる感情、介護者が男性や若い人のケースなど、
詳しく事例を挙げながらお話頂きました。
イギリスでは「介護者支援法」という法律が施行されているそうです。
日本の介護は家族に頼っていて、そういった介護者の生活や権利を
守る制度はありません・・・。
わたしたちのライフスタイルは大きく変わり、核家族化、高齢者のみで暮らす
家庭は急増しています。にも関わらず、日本の制度は追いついていないのが
現状だそうです。

もちろん介護のノウハウは大切ですが、
それ以上にマインドや感情の部分を学ぶことの重要性を教えて頂きました。

参加された方からは「いざという時にまずどうすれば良いか、その心がまえを
教えて頂けて、ちょっと気持ちが軽くなりました」という感想もありました。

介護する側、介護される側、それぞれの生活や想いを尊重することで、
もっとそれぞれが自分らしく過ごすことができるようになるはずです!
今回のセミナーは、大切な家族とより良い時間を過ごすために、
そのためのきっかけを皆さんと考える時間になったのではないかと思います。

お話頂いた牧野理事長、そしてご参加頂いた皆さん、
暑い中、本当にありがとうございました。

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