「散骨」と聞いて、どんなイメージをもたれますか?
自然葬、という言葉が登場し、既に20年近くもたつそうです。
自然葬は「海洋散骨」や「樹木葬」など、「お墓」に入るかわりに、遺灰を海や山へまく「散骨」をして、その方が好きだった場所などで、思い出と共に自然に還ることを選ばれる方法のひとつとして、知られるようになりました。
近年、核家族から更に独居や二人世帯も多くなる都心では、誰が「お墓」を守るのか、その継承者問題など、現代お墓事情も複雑化し、悩みの声も多く聞かるようになりました。
これから楽交では、今回、「”私らしさ”葬送計画 散骨は素敵だ」と題し、海洋自然葬の「風」代表の松木さんから、海に還る海洋散骨についてお話をうかがう講座を行いました。
スライドでは、広がる青い一面の海に、船上から色とりどりの花びらと、白い粉末が、風にのって海に流れていく様子が映っていました。また、その方が好きだった、飲み物などをそっと注ぐような場面もみられました。
「遺骨が海に広がっていくのが、天に昇って還っていく感じがする」
「世界中、海はつながっているので、どこに居ても海を見た時に思い出し、心の中で手を合わせてくれれば…と思います」
「海にまく、思い出の場所にかえる、美しいお花にロマンを感じました」
参加いただいた方からの感想や質問など、終始、話がつきない講座となりました。
好きな場所に散骨してもらい、自然のなかへ還っていく、という、とてもロマンティックなイメージをもっていた海洋散骨。でも、その反面、お墓を持てない、お墓の継承者がいない、という現実的な側面から、お墓でない選択肢として、遺骨を海へ、という方法が選ばれていることも、散骨が年々増加している背景の理由として知ることができました。
「海に散骨してほしい」と、家族にその希望を伝えていても、実際には、遺された家族が散骨に抵抗がありキャンセルとなってしまったりと、本人と家族とのコミュニケーションの必要性も改めて感じるエピソードもありました。この世を去る人、遺る人、それぞれの思いもまた、必ずしも一緒であるとは限りませんね…。
今回の「海洋散骨」のお話をうかがう中で、よりリアルに「自分らしい葬送」について、皆さんと一緒に考えてみることができたように思いました。
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