新宿の都営住宅戸山ハイツの一角にある「暮らしの保健室」に伺いました。
8割くらいが高齢者とも言われるこの団地の中で、健康・医療・介護...様々な相談ができ、温かく落ち着いた雰囲気の中で、一息ついて安心して話ができる、
ここはまさに暮らしの中の「保健室」。
木のぬくもりが心地よい入り口を入ると、中から笑顔で迎えて下さったのは
ボランティアのスタッフさん。ご高齢のご婦人方が座っておしゃべりしていたり、
奥でマッサージをうける姿も見られます。
こちらには看護師さんやボランティアの方を始めスタッフが常駐。
初めてでも一人でも、誰もが来やすいように健康や暮らしに関する勉強会や、手作りの会などが常に行われています。
病気や介護のことで不安があっても、いったいどこにいけばいいのかしら...
そんな時に気軽に立ち寄って相談にのってもらえるのは本当に心強い。
訪れるのは、一人暮らしの人ばかりじゃありません。
「家族には聞いてもらえないから」と、昔の思い出話などをしにくる方、また親御さんの介護の相談に訪れる子供世代も多いそう。
暮らしに関することは地域包括センターに窓口があっても、その存在を思いつかない人が多いのが現状です。
また健康や病気のことならば病院に行けばいいのかもしれませんが、心配なのはその病気や治療法に関することだけではありません。病気によって起きてくる生活の変化や、これからどうなってしまうんだろう、という不安感...。
本当に必要なのは自分の想いを話せて、そして不安が解消できるところ、
特別な場所ではなくて、「身近な場所」。
核家族化により高齢者だけで暮らす世帯や、単身者はますます増加しています。
住み慣れたところで、最後までずっと暮らしていきたい...それは誰もが願うこと。
各地域にこのような住民に寄り添い、地域に根ざしたコミュニティの拠点があり、
皆が連携し合っていけば、もっと安心して暮らせる人が増えるはず。
「暮らしの保健室」は、新宿区で訪問看護事業に深く携わる秋山正子さんが代表をつとめる㈱ケアーズ白十字訪問看護ステーションが開設しました。そして30名のボランティアの方々が毎日交代で活動を支えています。今回の訪問では、この日担当されていたボランティアの方が丁寧に説明をして下さいました。
最後にお聞きした「代表の秋山さんの人柄、想いに賛同して集まっているんです。みんな、そうですよ。」という言葉が印象に残っています。
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